追憶/カルメンオジン
愛は短命
嘆いた日々も
地平を巡り
海へと消える
私は私
彼の時も越え
季節を巡り
未だ此処に居る
春に始まり
夏に深まり
秋に交わり
冬に離れる
何処に愁うも
遥かに彼方
淡く短命
哀は何れか
夢は単彩
過ぎ行く日々は
地平を巡り
海へと消えた
濁した澱も
静かに深く
季節を巡り
未だ此処に在る
春の鳴動
夏の喧騒
秋の夕凪
冬の穏音
何時に懐うも
鈍く明滅
灼ける単彩
何れも染めず
記憶の海の
仄暗き奥
五感遮り
滲む追憶
記憶の海に
波紋が一つ
揺らぐ水面に
想い漂う
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