ひかり まばたき/
木立 悟
影にほつれ
無音にほつれ
いつしか径は直っている
治らぬ行方をかがやかせたまま
空の浮き標が
役に立たない伝えを伝え
人以外は皆 人には冷たく
ただ口をつぐんでいる
このように終わり
このようにはじまる
平らでまぶしい
曇を持たない指の手のひら
午後の水をつまみ
ゆうるりと持ち上がるその刹那
真昼の片目の星雲は
ひとつのまばたきにあふれ出す
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