ノート(後悔)/木立 悟
 




人の背たけほどある
横長の宇宙船を縦にかかえ
横断歩道をわたり
洞窟に入った


なかには同じかたちの
巨きな宇宙船があり
底のほうにある継ぎ目を押すと
むかって左側の着陸燈が現われた
何回押しても
左側しか出てこなかった


ふとうしろを振り返ると
小さいほうの宇宙船が
赤信号を右に曲がって
飛んでいってしまった


もっとやさしくしてやればよかったと
後悔した






















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