階段を下る暗闇の中/kauzak
 
暗闇の中
階段を下っていく

下ろした足の先に
段があるのかさえ分からず
感覚だけを頼りに
下りていく

不安とか覚悟とか
感情は全て封印して
淡々と機械のように
一定の下げ幅一定のリズムで

そうでもしないと
下れないから

下った先は
階下の部屋だと
それだけを確信して

なのに
下っても下っても
踊り場すら現れない

家の中にいたはずなのに
冷たい風が吹き上がってきた
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