塩を 少々/るるりら
 


まるで その様子は
祖先を見るようです
たった一粒の命が
進化して
わたしだったり
魚だったり
プランクトンだったり
する する すると
のぼってきた
わたしたちは 
わたしは水滴

たったひとつのところからうまれた
水滴のような命
が おなじスピードで拡散し
上へ上へとおしあげられ

しかし ふと わたしは水滴として結晶せず
我に返ったのです
そこが【赤穂】だという
案内板を見たあたりで

塩の匂いが
してました
わたしも
お魚と違わない
わたしも
水滴と違わない
とても違って見える
あの人とも
違わない
そんな塩の匂いです


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