蒼/カルメンオジン
魂さえも
呑み込まれてく
そんな幻想に
抱かれながら
夜がまた今日も
時間を拐う
何を想うか
何を懐うか
静寂に寄り眠る宵の蒼
心をそっと
淵に浮かせれば
不透明な鏡に
閉じた視界が滲む
行方も知れぬまま
紫煙揺らめき
針の足音は
無機質に刻む
思考の水面は
ただ穏やかに
無意味な蒼に有意義に染まる
細波一つ
起つ事もなく
拡がる意識に
交じり合うのみ
柵からの
憂いの解放
一つ息吐き
目蓋開けば
拡がるは蒼
何を想うか
何を懐うか
拡がるはただ
蒼
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