この手の中に/
石田とわ
覚えているだろうか
死ぬ時はひとりだとあっさり振られたけれど
そんなことも今は遠く感じる
砂時計の砂はいつだって同じだけ減っていく
最後の一粒が落ちるまで見つめていよう
手を放すことができなかったわたしができる
唯一のことだから
しあわせは握りしめたこの手の中にある
あなたは気づいてくれるだろうか
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