この手の中に/石田とわ
 

    いつかはいろんなことが上手くいき
    少しはしあわせになれると
    今でも信じている
    現実はそう甘くなく
    事態はより深刻と複雑さが絡まっているが
    そんなものは時の前に立てば
    たやすくほぐれるだろう
    今がしあわせじゃないかといえば
    そんなことはなく
    いつだってその背中を思っている
    こんな夜、手足を丸め眠っているね
    なにもできないことを嘆く時はすでに過ぎ
    苦しみをよそに、わたしはわたしの生活を
    淡々と過ごす
    一緒に死んでくれないかと言ったことを
    覚え
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