知っておいたほうがよい/ドクダミ五十号
言葉が如何に弱いかを
言葉が盾にならぬかを
奥底から湧き出る真を
伝えようと書くのだが
言葉は目的を果たさず
熟した果実が落ちる様
ぽつりぼとりおとなし
芽なんて出てしまえと
心の荒野にけだものは
尻尾を巻いている様に
書くという戦いは虚し
所詮けだものの咆哮だ
足りぬ叫びが己なのだ
食い殺す勢いで叫べよ
それしか残っていない
何も添えるべからずだ
相手は居ないのだから
嘘も本当も無い荒野だ
ただ響くだけなのだよ
正す襟は不要だと言う
虚しいと知りながらの
喉の辺りの言葉を書く
私やお前の為にこそだ
虚しいからと逃げるな
わたしは逃げないから
おまえも逃げるなよな
俺は踏ん張って書くぜ
殴り付ける様にお前に
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