メトロポリス/梅昆布茶
 
史書を書き始めるのだ
時にそれは
ネクロノミコンとも呼ばれる

それは宇宙の設計図
こころや身体を組み立てる原理の
解説書なんだ

ワトソン君はけっこう忙しく
探偵をアシストしているが
霧のロンドンブリッジは遥かに遠い

マリーアントワネットは断頭台の上で
故郷のオーストリアの子守唄を聴いただろうか
それとも

ただの風の音

今日も阿呆船は狂気をはこんでゆく
いつかは子午線をも超えて
北極圏のオーロラをみるにちがいない

その時僕達はあの懐かしい
メトロポリスを思い出すのかもしれない












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