コーラの泡が弾けてる/木屋 亞万
黒髪にだってひっきりなしに雨は降る
墨の中で踊る粒子が枯らした手と手の隙間
微妙な距離を詰められずにドーナツのこじんまりとした完結
温度を失ったものの粒子をかき回す電子の波のうねりのようなものの
ぎらぎらとしたおそろしさを知るものはすくない
コーヒーをかき回すたびに焦げていくスプーンが
コーヒーカップの尻に敷かれる皿に触れるたびジュッと焦げる
半笑いの午後のふざけた時間の進み具合と
喫茶店でお茶を飲む人のいないことへの憂鬱
紅茶は夕陽の向こうに沈んだまま天岩戸に閉じこもり
どれだけ偉大なものの踊りも矮小なものの舞いも
閉じられた目に映ることは無かった
いくつも投身自殺してい
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