ポエム/
牛
セロファンに透かした景色を不思議と笑う
揺れてるブランコの向こうから
「ここまでおいで」
赤いボールそのままにして
追われる流れに溶け込めば
いつものように見えなくなるから
灰色の空の下
聞こえた
「もういいよ」
振り向いたのは
今でも隠れてる気がしたから
いないのは知ってるのに
どこか期待して
「ごめんね」
誰にでもなく呟く
宵の口
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