春の 陽炎/藤鈴呼
 
新型車両には
もっと サクラが 多そうな シーズン

愛でたい 花火 其れよりも
目出度い 花びら 集めたい

真冬の 向日葵は 
きっと 映えるのね

真冬に ヒマワリは
きっと 生えないけれど

真夏も ひまわりは
きっと 這えない

その方が イイ

はいつくばった 姿なんて
見たくは ないから

雪の 重さで
地上に Uターンしそうな 
幾つもの 杉たちが
幾重にも 折り重なって
空洞を 作る

自然の トンネルが 
目に痛い

心が 軋んで
それ以上
アクセルを 踏むことが
出来なかった

腐食しかけの 看板を見つけて
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