夕方は悩んだ方の負け/
左屋百色
詩人になりたくて
カエルは右手を草影に隠し
知識を公園のベンチの下に捨てた
詩人にはなれたけど
なんか思っていたのと違う
詩人をやめたくて
詩人は右脳と心臓を入れ替えて
言葉を海に沈めたのに
詩人になってしまった
なんかいつもと同じ
違うのはなんだ
紙の上で殺されてゆく言葉たち
ここからそこまでが夕方
向こうはずっと朝
夜はない
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