朝食/
そらの珊瑚
朝
まっさらな白い紙に
一篇の詩を書きつけ
それを食す
奥歯でかみしめていけば
罫線はよじれ
句読点が記号に戻っていく
口腔内の温度で意味の糊付けが剥がされ
構築された言葉はゆるりと分裂を始め
わたしの唾液と混ざり合い
離乳食のように攪拌され
半流体となって
やさしげに
のどを落ちていく
あとは かすかに残る
インクの苦味を
舌先で弄ぶ
密やかな朝食の時間
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