原色の記憶/カルメンオジン
夜になったら
月の灯りが
景色を蒼く
包んでくれる
夜明けが来れば
滲んだ紅が
地平線から
拡がるだろう
それならせめて
今この時は
そこに在る物
見つめてみよう
時間が経てば
色を変えてく
存在たちを
せめて、今だけ
どんなに卑しく
映った物でも
貴方の中から
まだ消さないで
いつの日にかは
姿を変えて
貴方の力に
なるはずだから
過ちを二度と
繰り返さぬよう
幸せを二度と
離さぬように
想いも痛みも
忘れぬように
夜になったら
月の灯りで
全てが綺麗に
染まってくから
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