天使たちの罠/ホロウ・シカエルボク
 

フカシてるだけの野郎だってことなんかすぐに判るさ
他人を欺くのは容易いことじゃない

真夜中のキッチン、惰性で欲しがるインスタント・コーヒーを入れながら
誰にも聞かせたことのないメロディーをお前はハミングする
そいつはとてもいい気分にさせてくれるけど
カップの中の湯気と一緒にどっかへ行っちまう程度のもの

よう、表通りへくり出してみちゃどうだい
真夜中の間にだって天使たちは彷徨いてるんだぜ
ちょっと安物の化粧品の匂いがする天使たちかもしれないけれど
いまお前が欲しがってるものくらいなら彼女らはいくらだって持ってるぜ
あとはお前が素直になれるかどうかさ
[次のページ]
戻る   Point(4)