暮れる万世橋の僕/番田 
 

僕は夢を見ているのかもしれなかった
オーディオの雑誌を ぼんやりとめくり続けながら
自分の持つべきオーディオシステムの構成について思いめぐらす
そうしている 僕自身は 凡人なのだが
理想とする あるべきスピーカーの鳴らし方を探した


そうしていると わからないけれど虚しかった
秋葉原の真ん中にあったサトームセンは潰れてしまった
僕は僕の心の中を洗脳していったおじさんたち目がけて
理想の音とは一体なんだったのかと
万世橋の上から持てるだけの大きな石を投げこんだ


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