スピンオフ/吉岡ペペロ
 

起こるすべての事象は一様に明るいものであるはずだった。

そうであるための方法は自身が動くだけ。それがいま動けないのだった。

娘の泣き声が聞こえた。

妻の物音に耳をそばだてた。

娘の泣き声がやんだ。

なぜか自由を感じていた。

目の前にはあのころのような涼しい風が吹いていた。

のどの痛みが一瞬消えて今臥せていることを彼は暫くいぶかしんでいた。







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