忘れてしまった/川上凌
何を書こうとしたのか忘れてしまった
私はお風呂の中で
或いは教室で、バス待ちで
ふと詩を思いついたのに
それを脳みそに留めたはずなのに
今こうしていざ向かい合うと
うっかり何処かへやってしまったようだ
自然体で見つけるのは案外簡単だけれど
自分で捕まえようとしたら
簡単にやってきてはくれない
まるで運命、出会い
それは必然で偶然だ
言葉よ 語彙たちよ
私は自然体で待っている
運命よ 出会いよ
まだ知りたいことが山ほどある
書きたいことが一杯ある
次は忘れないように
脳みそで何度も反復するから
君の方から歩み寄ってくれればなお嬉しい
私は今日も待っている
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