ふゆのあおぞら/草野春心
 


  めぇいっぱいのかなしみを
  ちいさなかばんにつめてたら
  ほころびからおちていった
  あたりまえだ
  ふゆのあおぞら
  ふゆのあおぞら
  かぜがふいた
  ほころびからおちていった
  なみだもえがおもいとしさも
  うたうみたいにとんでった



   風が吹いた。
   目いっぱいの哀しみを
   あなたを思う、
   暗い夜の一つ一つを
   僕はわすれてしまった。
   当たり前だ……
   冬の青空。



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