バラード/石瀬琳々
 
風が吹いたなら バラード
君のまつ毛に触れた歌を
そして君の唇からこぼれた吐息が
空になって雲になっていつか
明日へと届く (耳をすませている)
風が吹いたなら バラード
君の頬にそっと触れた歌を
あの日のやさしさに満ちた瞳をあげて
(その強いまなざしが欲しい)


春になる 春になる 青い草原に
寝転がって見た空の あれは歌だった
低い光が射して啓示が降りてくる
町は見渡す限り金色のかげろう
海のようだった 寄せては返し
どこまでも世界を包んで輝いていた
どこまでも遠く行けるとただ信じた


(風が吹いたなら バラード
 君のまつ毛に触れた歌を)


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