逃げてしまった僕が感謝されて戸惑っている/kauzak
 
らしている
  末っ子の叔母にすべて相続させようと
  提案してきた

  親の故郷から遠く離れた東京に住む僕は
  端から相続されても使いようがない
  と思っていたから一も二もなく賛成した

  叔父は「それならありがたい」と
  喜びながら
  今年のお盆は実家には戻れないので
  登記の方はよろしく頼むと念押しされた

 母の初盆で集まるのを機に相続の話を詰めることになり
 叔父以外の兄弟姉妹とその関係者で話をした

 当然、末っ子の叔母に相続させ
 他の兄弟は相続放棄するものだと思っていたのに
 上から二番目の伯父の遺族が相続に名乗りを上げていた

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