こがね まわりみち/木立 悟
とどかない色
陽の輪郭の
ひらきかけた
ふたつの手
ひとつ まぶしく
請われるかたち
夕暮れをしまい
常なるものをたたみ
庭の雪を見るともなく見
動かない川を聴く
服をすべて洗ってしまい
外に出れない
窓から離れ
窓を振り返る
雪は紅く
とまどいは浅い
光には渦
ためらうはひとり
たいせつなものが消え
なにも変わらず
どこか白く
どこか はかなく
結露も雨も数え終わり
わたすものもわたし終えた
その静かな疲れを
膝にのせて
晴れ間が庭をゆうるりとすぎ
雨が雪をまたたかせ
近づくも
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