温い感触の鎮魂歌/ホロウ・シカエルボク
んか持ったりしちゃいけない、すべてをどこかに捨てていくつもりで書いていかなければならない、捨てるべきものを残してしまうと、そのあとになにを継ぎ足したところで永遠に恰好なんかつきはしない、永遠にだ、永遠にだよ…思い入れてしまった、愛してしまったそのセンテンスを捨てない限りはさ―なんのために書いているんだ?言葉のままで済むようなことならそいつは言葉のままで置いておけばいい、わざわざ詩なんて名前のコートを着せる必要なんてないんだ
おれは鉛筆を手にとって破れたレポート用紙に昨夜捨てたセンテンスの墓場をこしらえた、これは本当は詩にしなくちゃいけないことだ―そう、思いながら。
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