温い感触の鎮魂歌/ホロウ・シカエルボク
 




氷りついた床の上に投げ捨てられたセンテンス、凍えて縮まりながら自分の存在が亡きものになるのを待っていた、どうしてそんなことを思うのかって?決まっているじゃないか、そいつは投げ捨てられたんだ、投げ捨てたやつがそのときなにを書いていたのかなんておれには判るべくもないけれど、センテンスが必要なものなんて限られてくるよな、想像してごらん、センテンスが必要な…必要なものなんてないのかもしれないけどさ、本当は…詩か小説か、あるいは歌か―もしかしたら温度に迷ったままのラヴ・レターかもな、とにかく、そいつは投げ捨てられてしまったんだ、氷りついた冷たい床の上に、投げ捨てられたってことはもう必要がなく
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