地を這う男/ホロウ・シカエルボク
 
かれ、自分が道を誤っていはしないかと確かめていた、その時の目は野生の獣のように厳しく爛々としていて、それが間違いなく彼の意志によって行われているのだということを雄弁に語っていた、彼は呻きながら、己の肘から、膝から溢れる血液を地表に塗りつけながら前進し続けていた、時折り諦めかけるように首が垂れたが、身体を大きく膨らませたりすぼめたりして何度か息を継ぐと、再び前を向いて這い始めるのだった、時折り気を失いかけているのではないかというように黒目が非常に上を向いて、目蓋の中に隠れてはまた戻ってきた

この男はどうしてこんなことをしているのだろう、と、道を行く誰もが好奇と驚きと嫌悪を持って彼のことを見つめ
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