早春/
ぎへいじ
身に ヨモギ葉の衣をまとうには まだ早く
春の香り浅い 籠のもち草
幼心よみがえる野に独り
春摘み草の思い出は家族の笑顔 母の味
くちびるの温もり感じるほどに引き寄せて
その小さな手で
花見の枝の小さな蕾に 何を願ったのか
こよみの春を向かえてすでに数日
命は季節の中で寝覚め様としているのに
この風はどこから
冬を越えられなかった祈りにも今日はやさしい
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