しなれサンドバッグ/komasen333
覚めさせてゆく
連打の果てに浮かび上がる
愛のように眩しい
影のように狂おしい
何かが欲しいというよりも
何も欲しくなかったからこそ
自覚できた欲望のままに
誰かを守りたいというよりも
誰かを負かしたいというよりも
誰も振り向いてくれなかったからこそ
自覚できた空虚のもとで
くり出すパンチ
吸い込まれぬように
延々と続きそうなこの日常に向けて
今夜もその一撃を夢見てる
たしかなその一撃を求めてる
この街の片隅で
小さな、小さな、小さなビルの三階で
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