孤独安寧/ブルーベリー
明け方 白が街を縁取って
地面に這い蹲った存在証明に
目を細めておはようと言う
舞う色を数えもしないくせに
風に色を求めてる
なびいたマフラー(残像、その色を誤認してる)の先より
何より
見たいのはその顔だ
見開いた目と
開かれた唇の色に
勝手に運勢を占っては
靴を、或いは舌を鳴らす
ポケットに突っ込んだ手が
次に求めるのは安い夢の代金で
コンビニエンスストアに爪を立て
レジに運勢を賭けてみる
お団子頭の振り返りに
夢を見たっていいじゃないか
そう思って夜間侵入すべく
ポスターの時給に目を細めた。
死ね、と呟く。
夕暮れ 赤が街を切り取って
先に伸びていく存在証明に
目を細めて寝ちまえと言う
すぐに手に入る光に目をつぶるくせに
小さな光も探しやしない
ふわふわ揺れた重そうなブロンド
べったり塗られた不味そうなルージュ
見たいのはそんなんじゃない
逃げ場をなくした手が
見つけたのは
ポケットの中
安い甘い温い炭酸
靴を、或いは舌を鳴らす。
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