HHM講評/香瀬
 
、僭越ながらその狙ったものの一つを申すのならば、文芸と文芸でないものをブリッジするようなヒヒョーを誘い出すこと、でした。詩と小説のような文芸同士の比較だけでなく、美術や音楽やサブカルと詩を比較することで、新たな視点や作品の別の側面、まったく違う畑の読者層の開拓などが実現できたらいいなと思っておりました。残念ながら力不足のためcaseの作例は面白いものではありませんでしたが、よもやま野原(佐藤真夏)氏の本投稿作は、〈子ども〉〈大人〉というキーワードを用いて短歌と歌詞をつなぎ、比較しながら読み解いていく刺激的なものとなっております。

 せっかくなので大森氏の歌詞だけでなく曲にも目を配った分析を見
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