HHM講評/香瀬
れた表面的な主題だけで読まず仕舞いでした。今では襟を正す思いです。
浪玲氏が本投稿作で行ったことは、雨女薬「僕の母」に用いられている技術をひとつずつ拾いだし、それらから作品を逆照射しロジックを見出すことです。どのような作品であっても、そこに技術は存在し、そこからロジックを見出せる、ということ。本投稿作では、表題にある「僕の母」の作品分析だけで終わらず、類似した主題を扱う黒崎立体「ねじ」を併置させます。「僕の母」に比べ「ねじ」の分析はいささか駆け足な印象ではありますが、母親という立場の人間に対してどのような態度をとっているかという両作品の比較は面白かったです。
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「エロスとエロ
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