応え まばたき(棘 羽 花)/木立 悟
二重の夜が終わり はじまり
縦の星雲と重なるとき
呑みこまれる花 新たに低く
咲きうつる花
山から流れつく闇が
丘を切り取り 脈打たせてゆく
種を土に刺す月の指
浪を見つめることをやめない
空から空へ還りゆく
途切れ途切れの花びらに
同じかたちの音と影
少しずれながら腕ひらく
空に吊るされたままの空から
燃える麒麟が降りてきて
河口を喰らうけだものたちに
棘の生えた羽を手わたしてゆく
器は夜
裏は雨
坂の強弱
熱と花に看取られて
ちからの痛み
指ほどく指
街のかたちを
空へ沈める
浪
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