受け入れても受け入れても現実は深く牙で僕の/竜門勇気
には充分で
息してるぶんには
不自由がない暮らし
腐った金でも金は金
腐った金でも笑顔は買えた
腐った金に時間を変えて暮らす
腐った時間よりはマシだな
腐った時間が育てた化物は
腐った皮膚に牙をたてる
腐った神経がちぎれて
腐った叫び声が音楽に聞こえる
自分の悲鳴が音楽みたいだった
一昔前僕の泣き叫ぶ声は
僕の音楽でした
さみしい気分が
少しずつ吹かなくなった
時々 他人の背中を見てる時に
やけに自分と違うなって
思った時 わかった時
耳元で吹く
まるで年寄りさ あえて そんな気分も
受け入れた それで楽になる
一つ分だけ
目を覚ましてまた心臓の横に牙が刺さる
喋り屋のスイッチが押し込まれて
僕は音楽を聞く
今にも壊れそうで壊れない
頑丈なスイッチが押し込まれて
僕は音楽を聞く
僕は音楽を聞く
戻る 編 削 Point(1)