千年樹/
千波 一也
さいご、には
なれるはずもなかった
いのりの一葉が
身をよせて
そよかぜを織る
やわらかな
うみ
すきま、から
もれる光は重なりあって
ことばのほつれを
受けとめる
なりゆきまかせの
さざなみの
底
はじまり、の日は
渇きつづける
水のうち
こぼれ
すくわれ
めぐまれて、凪ぐ
不ぞろいの腕
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