REDMEDICINE/本木はじめ
寝転んで椿に話しかけるとき午後の紅茶もすでに冷たし
海のない地表の上を航海す既に明日も干乾びている
夕映えの冬の湖凍りつく阿修羅のごとく人生は鬼
バランスをなくしたきみは美しき白痴のようにレモンを齧る
黒猫の瞳に映る可燃物 約束されたぼくらの火葬
革命を起こしたつもり雪の跡 不滅の美とは何か教えて
廃船のなかで目覚める十二月 殻を破らば生まれぬ小鳥
曇天の落下している廃墟にて動かすものは何もなくなる
禁欲の約束破り噛み砕くレッドメディシン さらば惑星
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