冷たさは針となって/M?lodie
いつものように鍼を打ってもらった
冷たさが首の後ろから忍び寄って
私の頭を痛ませるんだそうだ
肺を弱らせて
肌を凍みつかせ
私の心にまで風邪をひかせる
たくさんの鍼を体に刺されるとき
先生の重みを感じると言ったら
魂を込めてますからと笑った
守る力を失っている人に
少しでも元気になりますようにと祈るのだそうだ
闊達として
快活に笑う
その指先には
本物の愛情が込められている
私は人に触れられるのが苦手で
知っているのは冷たい指先
私の体という物を利用したがり
私の体という物を支配したがる
冷たく凍みつく指先を覚えている
鍼を打たれるとき
[次のページ]
戻る 編 削 Point(4)