ハンカチ一枚/カンチェルスキス
た。
角を曲がると歩いて、駅に向かった。
ホテルの玄関から何人も人が出てきた。
男も女も着飾っていた。
パーティーが終わったばかりのようだった。
仲間から少しはぐれてはしゃいでる者が
何人かいた。
そのうちの一人と彼はぶつかった。
男は何も言わなかった。
彼も何も言わなかった。
男は仲間の中に戻っただけだった。
彼はホテルの一階のトイレで小便した。
それだけで出てきた。
彼は黒猫のところに戻った。
黒猫は植込みに座っていた。
彼は植込みに腰かけ、シャツの下に黒猫を入れてやった。
黒猫は自分から入っていっ
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