雨に煙る校庭/yamadahifumi
私は小学校の校庭を思い出す
雨に煙るその校庭を・・・
その光景に、私は写っていない
その光景に初恋のあの子は写っていない
その光景に、一番怖かったあの先生は写っていない
でも、その校庭には雨が煙っている
誰もいないけれど、雨が煙っている
そこが取り壊されて、駐車場になった後も
その駐車場が雑居ビルになった後も
そこにはやっぱりその校庭があって
そして、そこにはやっぱり雨が煙っている
そして、私は少しの間
架空の小学生となって、そこで遊ぶのだ
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