雨の日わたしはひざまずき/はるな
 

雨の日わたしは
ひざまずき
コンクリートをのけてうまれる
ほそい草の根を食べた
雨の日のコンクリート

濡れて

高い
高いビルの窓たちは
かたく
光をはじき
ちらして
海は真黒
さめざめゆれて
ほそい根は
わたしに食べられる

でもその光は
光ではなくて
海は無色で
傘は
雨色

コンクリートは濡れて
わたしはそこへひざまずき
少ない肌を
たよりにして
ただただ
意味を
まっていた


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