自分へ帰る/yamadahifumi
 



僕は馬鹿なんで

あなたをただポカンと見ている

あなたは表通りを歩いている

何かに急き立てられるように



もし、僕達に人生というものがあるのなら

それは僕達とは違った

誰かの所有物に違いない

僕はそんな事を思いながら

少し、あなたの背を追いかけた

「これじゃあ、ストーカーだ」と

心の中で呟きながら



あなたの姿が僕の視界から消えた時

僕ははじめてせいせいとした気持ちになった

これで、また自分自身に帰れるのだ

何も存在していない空っぽの

空孔のような自分へと、再び


戻る   Point(0)