看取り(1)/吉岡ペペロ
託児所に息子を迎えに行くと新しく来たと思われるこどもにジロジロと見つめられた。
ぼくが肌の色のちがうアフリカ人だからだ。
コンビニの明かりに照らされたりしながらぼくは息子と家路をたどる。
息子はぼくよりも上手な日本語できょうあった出来事を喋り続けていた。
職場でも痴呆のおばあさんに話しかけられ続けた。
すき焼き食べに来てください、
目があうたびそのおばあさんはそう言うのだった。
息子がテレビを見ないともだちについて喋っていた。
ぼくは老人ホームでの便利屋のような職を得た。
介護福祉士たちの補助を行うのにぼくの体力は申し分なかった。
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