ピーナツ/草野春心
 


  転寝(うたたね)をしながら
  ピーナツの殻を割る
  眠りと目覚めの隙間には
  すこしずつ雪がつもってゆく
  ひどく無口で、
  愛らしい雪が切れ間なく
  ピーナツ
  夢のなかで私は
  鼻息荒い一匹の犬の
  赤いリードから手を離す




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