ノート(あなたを聴く)/
木立 悟
くていいのだ
だからどうしたというのだろう
いま地面の上に在るものが
すべて消え去るまでの数億年が
いつからはじまるというのだろう
自身を自身に映すものを
何もせずただ見つめている
何もない時間に向かい
微笑んでいる
針や硝子が舌から消えてなお
ひたすら吹雪に打たれながら
それでもあなたはうたいはじめた
これまでを今をこれからを
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