空っぽの掌/信咲
 
悲しい夜はひとりぼっちだ
冷たい風を思いっきり深呼吸してみる
君はよく「死にたい」って口にするけど
本当に気持ちを届けたいのは
自分の裏側にあるのかもしれない

悲しい存在ってなんだろう
そんな言葉が一番あてはまるのは
今の自分のような気がして
惨めさと苦々しさを噛み潰してたよ

      *

誰が僕らを笑えるのかな?
惨めな気持ちが空中をさまよって
缶けりの音と一緒に夜に消えた

誰が僕らを笑えるのかな?
僕の掌はいつも空っぽだったけど
たしかにそこで僕は生きてた


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