雪/ドクダミ五十号
 
降る 積もる

逝くに 躊躇う

戸を 窓を

開ければ 湿り

篭りの歌が 聞こえ

白が 心を 支配する


生まれの地は

遥か 遠く

色としての 白


雪よ 雪よ

積もりなさい

覆う事が汝を

美しくする


雪の重さに

耐えかねて

薔薇の花枝は

折れました

煤けた花を

保ちつつ


罰として

天空から

もたらされて

降り積もる

のでしょうか

恰も

罪に倍する様に


寒さに震える

小さな命は

身を寄せ合い

抗います

命の温みを寄せあって


天よ

名乗りなさい

明らかに

残酷が形容と

されぬ為に


美しく

結晶は

酷薄に

降る


それは

しんしんと



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