凡庸賛歌/近藤正人
青巻紙の黄巻紙っぷりのほんの少々右寄りになったあたりの
まるっきりとびっきりのあの頃もなんもない
夢見がちだった昨日のことさ
4階から飛び降りたあいつのすねだったところから
爪楊枝みたいに白い骨が見えてた
笑ったあいつの気持ちなんて僕なんかにはわからないね
本当は今も覚えてるなんて都合の良い言葉
聞きなれればなんの意味もないね
海で捕られた魚を食らい
生臭いブロイラーの肉を食らい
たまに平和を呟いてみたり
たまに未来を語ったり
ろ過した水をすすり
機械色の空気を捕りこみ
膨張した脳みそを抱え
究極だのなんだのと語り
そうかもしれないとうそぶき
凡庸の何が悪いか
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