母さん/
花形新次
こどもの頃は
自分が消えてなくなるのと
同じくらい
いや、それ以上に
母さんがいなくなることが
怖かった
母さんがいない世界なんて
考えたくなかった
それは
一人で湯船に浸かっている時に
湯気の中から
ぼんやりと浮かんでくる
悪い想像だった
そんな僕が
今では
義母シリーズを
好んで見るように
なってしまいました
ごめんなさい
母さん
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