荒れ地2/……とある蛙
 
た。
会社はそこそこの所得を保障していたし
このまま永遠のこの幸せな社会が続くと確信していた。

豊かな時代は貧乏を忌み嫌い
貧乏は悪
ヒーローは見栄っ張りや幸運児
「あくせく働く奴ぁご苦労さん」
という世界が出現し、
「労働者諸君」
という呼びかけはギャグでしかない。
米本位制から
金本位制
さらには不動産本位制から
目に見えない株本位制
あっという間の出来事だった。

そして、突然の株の大暴落、
土地価格の右肩下がりでバブルは弾けた。
その後のジリ貧
妄想によってつけられた勝手な価値
それは汗と等価ではなく
欲望の堆積と等価だ。

天罰のように
二度にわたって
大地は揺れた
それからこれから
まだ勝手なことを言う奴だらけで未だに
妄想からでられない幽鬼達がうろうろしている

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