この海の底にとどく光/ねことら
 
沿いのフェンスがつづいてる。隠されたたいせつな真実の隣をずっとあるいていく。わたしたちのムービーはエンコードをまちがえて、遠回りしたり、道を間違ったり、ときたま思い出したように、人を好きになったりして。何か単純なことに没頭していたい。セックスでもいいし、勉強でもいい。どちらも重要ではないし、どちらも等価だ。




帰宅した後、サエからブルーレイを借りていたことを思い出して通学かばんに入れた。「潜水服は蝶の夢をみる」。主人公は脳溢血で全身麻痺になってしまうけど左目のまぶたで会話ができる。主人公にとって左目は外界との唯一のドアで、深い海の中に差す一筋の光だった。
わたしは孤独というものが
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